抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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脳常在免疫細胞であるミクログリアは,シナプス伝達や可塑性などの重要な脳機能に関与する。ミクログリアにより産生され分泌される炎症誘発性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNF)は,ニューロンにおけるシナプス可塑性の発現と関連している。しかしながら,ミクログリアのTNFが仲介する活性化の役割は,この背景で検討されていない。ここでは,シナプス興奮/阻害のバランスに対するTNFの濃度依存性効果およびマウス器官型エントルノ-海馬組織培養を用いたミクログリアの活性化を評価した。低濃度のTNFが興奮性シナプス強度を増強し,一方,阻害神経伝達に影響しないことを見出した。高濃度で,TNFは興奮性シナプス強度に影響することなく抑制神経伝達を増加させた。低濃度のTNFはGluA1含有AMPA受容体のシナプス蓄積を誘導し,高濃度のTNFがシナプス強化を妨げる興奮性神経伝達にホメオスタシス効果を発揮することを示唆した。これと一致して,TNF活性化ミクログリアの濃度は高かったが,低濃度であった。さらに,高濃度のTNFはミクログリア枯渇組織培養で興奮性神経伝達を増強した。これらの知見は,興奮性および抑制性神経伝達に対する濃度依存性効果を示すことにより,シナプス可塑性に対するTNFの役割に関する我々の知識を拡張する。これらは,ミクログリアの活性化に依存する興奮性神経伝達に対するTNF仲介陰性フィードバック機構を明らかにし,それによってTNF仲介可塑性とホメオスタシスのゲートキーパーとしての役割を強調する。【JST・京大機械翻訳】