抄録/ポイント:
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間葉系幹細胞(MSC)の異常な系統配置は骨髄骨芽細胞-脂肪細胞不均衡を引き起こし,重要な栄養素としてのグルコースはMSCの運命と機能の維持に必要である。鞭毛内輸送20(IFT20)は骨芽細胞分化と骨形成を調節するIFT複合体B蛋白質の1つであるが,IFT20がMSC運命をどのように調節するかは不明である。ここでは,IFT20が骨格発生時にグルコース代謝を調節することによりMSC系統配置を制御することを示した。MSCの初期段階におけるIFT20欠損は,四肢を有意に短縮し,骨量を減少させ,骨髄脂肪を有意に増加した。しかし,MSCと骨細胞の後期段階でのIFT20の欠失は,骨量と骨成長をわずかに減少させ,骨髄脂肪を増加させた。さらに,MSCにおけるIFT20の消失は,RANKL発現および骨吸収を増強する脂肪細胞形成を促進することを見出した。逆に,脂肪細胞におけるIFT20のアブレーションはこれらの表現型を逆転した。機構的に,MSCにおけるIFT20の消失は,グルコース耐性を有意に低下させ,グルコース取り込みと乳酸とATP産生を抑制した。さらに,IFT20の喪失はTGF-{β}-Smad2/3シグナル伝達を有意に阻害し,Glut1プロモーターへのSmad2/3の結合活性を減少させ,Glut1発現をダウンレギュレートした。これら所見は,IFT20がTGF-{β}-Smad2/3-Glut1が仲介するグルコース代謝の調節を介し,脂肪細胞へのMSC系譜配置の防止に必須の役割をすることを示す。【JST・京大機械翻訳】