抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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背景:CDK12不活性化は,進行前立腺癌(PCa)における免疫チェックポイント遮断薬(ICB)治療反応に対する予測バイオマーカーであるが,いくつかのCDK12変異患者はICBに反応しない。MHC発現のダウンレギュレーションは,種々のキャンセルにおけるICBに対する内因性および獲得耐性の機構として記述されてきたが,MHC発現レベルがICB処理に反応しないCDK12欠損PCaで変化するかどうかに関する情報はほとんどない。【方法】2つの公共ドメインコホートとレトロスペクティブコホートから原発性および転移性前立腺癌のゲノムデータを用いて,著者らは,CDK12変異患者におけるMHC遺伝子の発現および関連する下流変化の変化を調査した。公共ドメインデータの知見を,著者らの研究所からの53人の患者の遡及的コホートからのトランスクリプトミクスデータを用いて検証した。結果:遺伝子発現四分位の分析に基づいて,腫瘍をMHC-Iと-IIの’高’と’Low’発現レベルに分けた。MHCレベルが増加したCDK12欠損腫瘍は,免疫系と関連するいくつかの経路の活性化と,PD-L1,IDO1,およびTIM3発現の上昇を示した。これらの転写所見は,53の原発性PCaの著者らのコホートの発現分析を用いて確認された。CD8+T細胞,B細胞,ガンマデルタT細胞,およびCDK12変異腫瘍におけるM1マクロファージの組成は,デジタルサイトメトリー分析に基づくMHCレベル上昇と共に上昇した。対照的に,MHC発現低下を伴うCDK12欠損腫瘍は,染色体6上のMHC-I/-IIおよびHLA遺伝子クラスターに影響するヘテロ接合性(LOH)ゲノム事象の喪失にしばしば被った。CDK12欠損PCaは高レベルの古典的MHCを発現し,活性及び炎症腫瘍微小環境を有し,エフェクターT細胞の存在を増加させる。結論:減少したMHC発現は,抗原提示遺伝子の発現を減少させる特異的体細胞ゲノム事象の獲得に起因する可能性がある。CDK12変異,MHC発現レベル,およびLOH状態は,ICB適格PCaの転帰をより良く予測することができる。さらに,これらの知見は,ICB応答を改善するために,CDK12欠損PCaにおけるMHC発現を増強するための治療アプローチを研究する必要性に注意する。【JST・京大機械翻訳】