抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
最近,経頭蓋交流刺激(tACS)のような非侵襲的脳刺激技術は,進行中の神経振動活性を調節する可能性により広く利用され,その結果,様々な認知機能に関連する皮質可塑性を誘導する。しかし,刺激効果に対する神経生理学的基礎ならびにそれらの個体間差はまだ理解されていない。本研究では,閉ループEEG経頭蓋交流刺激プロトコル(EEG-tACS)を用いて,八頭-頭頂領域で発生するα振動の調節を調べた。特に,視覚皮質(CzとOz)に適用した反復短時間間欠刺激プロトコル(各試験における1s)の効果を調べ,これらの振動の振幅に対する視覚アルファ振動の位相と周波数に従って調整した。以前の知見に基づいて,著者らは,抗位相における適用と比較して,進行中の振動を伴う位相に適用されるtACSに対するα振幅のより高い増加を期待し,この変調は,視覚系(開眼)の低α振幅状態に存在するが,高(閉眼)では存在しなかった。予想に反して,共通の空間パターン手法を用いることにより,空間フィルタの推定により得られた個人間誘導空間特異的パリティ成分におけるアルファパワーの過渡的抑制を見出した。振幅変調は,tACS信号とアルファ振動の間の位相関係,および閉眼と開眼条件によって操作された視覚システムの状態とは無関係であった。それはまた,平均パリティ後頭領域からの通常解析単一チャネルとマルチチャネルデータには存在しなかった。振動のtACS変調が相非依存性であるという事実は,tACSの効果を駆動する機構が,エントレインメントだけでは説明されないが,むしろ神経可塑性変化または神経振動の一時的な破壊を必要とすることを示唆する。また,本研究は,tACSに対する応答が,刺激と異なるアルファ発生器の間の相互作用により,変調効果が形成されているという考えを支持した。これは,他の隠れ刺激効果を明らかにする空間フィルタのような個人間差を利用する分析体制と同様に刺激プロトコルに有利であり,それによって,tACSの効果と根底にある機構を包括的に誘導し,研究することに好都合である。【JST・京大機械翻訳】