抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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進化的皮質拡張は,ヒト認知能力の進化の根底にあると考えられているが,過剰な発達拡大は,しばしば自閉症スペクトラム障害のような神経発達障害で見出される巨大症を生じる。それでも,発生中の皮質ニューロンの過剰産生が後期寿命における皮質処理および行動にどのように影響するかについてはほとんど知られていない。ここでは,皮質表面ニューロンの発生過剰産生がマウスにおける聴覚処理を損なうことを示した。WNT/{β}-カテニンシグナル伝達阻害剤XAV939を利用して,発生時に皮質表面興奮性ニューロンを過剰産生した。XAV939処理成体マウスは,より長い反応時間とより高い閾値を示し,音響刺激を行動的に検出した。また,このマウスモデルは実験条件に依存して異常な聴覚皮質プロセシングを示し,受動的聴取条件では,推定興奮性細胞においてより低いベータパワーとより低い自発的および聴覚誘発活性を観察したが,興奮性細胞でのより高い前刺激自発活性は聴覚刺激行動を行動的に検出することに失敗した。一方,聴覚視床は,XAV939処理群と対照群の間の神経発火において有意差を示さなかった。さらに,機能的単シナプス結合は皮質推定興奮性細胞間で有意に減少した。まとめると,著者らの結果は,XAV939処理動物の非定型聴覚検出能が異常な聴覚皮質処理によって説明できることを示唆する。皮質サイズの拡張は進化的に有利であるが,発達中の異常な拡大は,成体における皮質処理および知覚行動に有害な効果をもたらす。【JST・京大機械翻訳】