抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Alzheimer病(AD)は進行性神経変性疾患であり,USにおける6番目の死因である。ADは男性より女性においてより一般的である。エストロゲンは女性において神経保護を提供するが,AD病理学の発症における性仲介差は完全には解明されていない。したがって,AD病理学の初期段階における性の間で発達する事象の比較は,より効果的な治療介入のための新しい潜在的標的を明らかにする可能性がある。性差に取り組むため,著者らは,ヒトと同様の進行性年齢依存性AD病理を発症するAPPsweおよびPreseninlin1(PS1{Delta}E9)変異を有するADモデルである,初期9か月の雄および雌TgF344-AD(Tg-AD)ラットを分析した。海馬依存性空間学習と記憶を評価する活性位置回避(aPAT)試験を用いて,著者らは野生型雌と比較してTg-AD雌において有意な欠損を見出したが,2つの雄遺伝子型の間に有意差は無かった。さらに,Tg-AD雌がPAT試験のいくつかの尺度においてTg-AD男性を凌駕するのに,有意な性差が観察された。意外なことに,Tg-AD雌はTg-AD雄同腹子より海馬アミロイドプラークとアメーバ様ミクログリアの高レベルを示した。さらに,Tg-AD雌は,Tg-AD雄より海馬神経損失が少なく,GluA2サブユニットレベルが高かった。著者らの知見に基づいて,エストロゲンはアミロイドプラーク沈着とグリオーシスとは独立にGluA2レベルを調節することにより,ADの初期段階において女性を認知障害から保護する可能性があることを提案する。ADにおけるエストロゲンの作用のこの潜在的防御機構を解明することは,早期介入の新しい標的につながる可能性がある。【JST・京大機械翻訳】