抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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WalR-WalK2成分調節系(TCS)は,全てのFirmicutesで見出され,そこで増殖と分裂中の細胞エンベロープのリモデリングに必要な複数の遺伝子の発現を調節する。ほとんどのTCSとは異なり,WalRKは生存能に必須であり,有望な抗生物質標的として興味を引いている。ここでは,WalRとCRISPR干渉の過剰発現を用い,高所得国の病院と関係した下痢の主な原因である,Clostridioides difficileのWal系を検討した。walオペロンが必須であり,変化したwal発現の主要な末端表現型として形態学的欠損と細胞溶解を同定した。また,RNA-seqを用いて,WalRレベルに応答して発現が変化する150以上の遺伝子を同定した。この遺伝子セットは細胞エンベロープ遺伝子に富み,PGヒドロラーゼ活性を調節できるいくつかの予測PGヒドロラーゼと蛋白質を含む。C.difficile細胞エンベロープの異なる特徴はS層の存在であり,WalRがS層蛋白質をコードするいくつかの遺伝子の発現に影響することを見出した。予想外の知見は,いくつかのWal関連表現型欠損が,他のFirmicutesで報告されたものと比べて反転しているということであった。例えば,Walシグナル伝達のダウンレギュレーションは,Bacillus subtilisのように,C.difficile細胞を短くするよりも長くなった。同様に,Walの下方制御は,バンコマイシンに対してより感受性の高いC.difficileを供与し,一方,Wal活性の低下はStaphylococcus aureusにおけるバンコマイシン耐性の増加と関連している。重要性:WalRK2成分システム(TCS)は,Firmicutesにおけるペプチドグリカンの合成およびターンオーバーの調整に必須である。ここでは,非定型細胞エンベロープを有する重要な細菌病原体であるClostridioides difficileにおけるWalRK TCSを検討した。WalRKは必須であり,細胞エンベロープ生合成を調節するが,観察された表現型変化のいくつかは他のFirmicutesで報告されているものとは逆であった。また,その発現がWalRにより直接または間接的に制御される150以上の遺伝子を同定した。全体として,著者らの知見はC.difficileにおける重要な調節系と潜在的抗生物質標的の将来の研究の基礎を提供する。【JST・京大機械翻訳】
