抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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小細胞肺癌(SCLC)は,緊急に新しい治療を必要とする難治性悪性腫瘍である。4つのマスター転写因子(ASCL1,NEUROD1,POU2F3,およびYAP1)をSCLCで同定し,それぞれは1つの分子サブタイプのトランスクリプトーム景観を定義する。これらのマスター因子は直接薬物化できず,それらの転写コアクチベーターを標的化することは代替アプローチを提供できる。ここでは,BETブロモドメイン蛋白質がNEUROD1と物理的に相互作用し,その転写コアクチベーターとして機能することを同定した。CRISPRノックアウトとChIP-seqを用いて,NEUROD1がSCLCゲノムにおけるBETブロモドメイン蛋白質の景観を定義する際に重要な役割を果たすことを示した。BET阻害剤によるBETブロモドメイン蛋白質の標的化は,NEUROD1標的遺伝子の広範な抑制,特にスーパーエンハンサーと関連するそれらを誘導し,in vitroおよびin vivoでのSCLC増殖を低下させる。IgLONファミリーの膜蛋白質であるLSAMPは,SCLCにおけるBET阻害剤感受性を仲介するNEUROD1標的遺伝子の1つとして同定された。まとめると,著者らの研究は,転写コアクチベーターの標的化が,治療目的のためのSCLCにおけるマスター転写因子を遮断する新規なアプローチであり得ることを明らかにした。良性Small細胞肺癌(SCLC)は肺悪性腫瘍の最も悪性型であり,過去20年間,その転帰を改善するためにはほとんど進展がなされていない。SCLCは単一疾患ではなく,少なくとも4つの分子サブタイプを持ち,各サブタイプは1つのマスター転写因子の発現を特徴とすることが現在認識されている。残念なことに,これらのマスター転写因子は,直接薬物性ではない。ここでは,SCLCにおけるマスター転写因子の一つであるNEUROD1の転写コアクチベータとして,BETブロモドメイン蛋白質を同定した。阻害剤によるBETブロモドメイン蛋白質の遮断は,NEUROD1-標的遺伝子を抑制し,腫瘍増殖を減少させる。著者らの結果は,転写コアクチベーターの遮断がSCLCにおけるマスター転写因子を標的とする代替アプローチであることを示した。【JST・京大機械翻訳】