抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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腹壁転写因子Achaete-scute複合体様1(Ascl1)は神経前駆細胞運命の主要な調節因子であり,神経発生とオリゴデンドログリア形成の両方に関与する。Ascl1は,非ニューロン細胞を誘導ニューロンに再プログラムするために広く使用されている。in vitroで,Ascl1は初期出生後大脳皮質から介在ニューロン様細胞への増殖性星状膠細胞の効率的な再プログラミングを誘導する。ここでは,Ascl1がin vivoで出生後マウス大脳皮質で増殖するグリアの神経リプログラミングを同様に誘導できるかを検討した。これに対し,マウス大脳皮質にAscl1をコードするレトロウイルスを注射することにより,増殖拡大(すなわち出生後5日目)のピークで皮質グリアを標的化した。in vitroでの非常に効率的なリプログラミングとは対照的に,Ascl1形質導入グリア細胞はin vivoで低効率でのみ二重コルチン免疫反応性ニューロンに転換した。6つの保存されたプロリン指向セリン/トレオニンリン酸化部位(Ascl1SA6)の突然変異によるAscl1のリン酸化との干渉は,初期胚大脳皮質における神経原性活性を増加させることが以前に示されている。従って,Ascl1SA6をコードするレトロウイルスによる増殖グリアの形質導入がニューロンへの変換を改善するかどうかを試験した。in vitroでのグリアからニューロンへの変換は著しく増強されたが,in vivoリプログラミング効率は低いままであった。しかし,野生型および変異体Ascl1は,星状細胞マーカーグリア線維酸性蛋白質(GFAP)を発現する細胞の相対数を減少させ,in vivoでオリゴデンドログリアマーカーSox10を発現する細胞の相対数を増加させた。まとめると,著者らの結果は,in vitroで観察されるAscl1SA6対Ascl1SA6に対する増殖性出生後グリアの神経原性応答の増強がin vivoで再現されないことを示す。【JST・京大機械翻訳】