抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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悪性神経膠腫の性質の解明と治療法の開発は,侵襲性,多核性,有糸分裂能力などの特徴を持つモデル細胞を必要とする。以前の研究は,p53遺伝子座のホモ接合欠失を伴う胎児終脳神経上皮細胞から分離した神経幹/前駆細胞における活性HRas(HRasL61)の過剰発現が,神経膠腫開始細胞(GIC)を形成することを示した。免疫不全マウスの前脳への10細胞の同所性移植は,膠芽腫様悪性脳腫瘍の発生をもたらした。本研究では,GICを野生型胎児神経幹/前駆細胞から誘導した。p53遺伝子を認識するガイドRNAと共にCRISPR関連蛋白質9の強制発現を通して,p53ノックアウト細胞を含む神経幹/前駆細胞を得た。さらに,HRasL61を強制発現させ,免疫不全マウスに移植した。これらの細胞は脳における腫瘍形成性を有する腫瘍開始細胞(TIC)であった。しかし,脳への侵襲性は観察されなかった。TICからの単一細胞クローニングにより得られたp53ホモ接合欠失細胞はGICであり,膠芽腫様腫瘍を形成した。誘導GICはGICマーカーを強く発現した。これらの結果は,GICがゲノム編集を用いて遺伝的組換えを介して誘導できることを示した。本研究は,ゲノム編集の使用が,遺伝子を欠失できないヒト細胞の発癌性機構の解明につながることを示唆する。【JST・京大機械翻訳】