抄録/ポイント：
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インフルエンザウイルスによる感染は,ウイルス複製と拡散を停止させるための適応応答を開始することを目的とした先天性免疫応答を誘発する。しかし,先天性免疫細胞ホメオスタシスの変化の根底にある分子機構を燃料とする代謝応答は未定義のままである。このように,樹状細胞の代謝応答を,活性及び不活性インフルエンザAウイルスに感染したもの,または受容体アゴニストのようなTollで処理したそれらと比較した。インフルエンザは樹状細胞に感染するが,これらの細胞では生産的に複製せず,従って感染時の代謝変化は宿主細胞の一部に対する適応応答を示す可能性がある。パルスチェーゼ基質利用アッセイおよび代謝フラックス測定と共に定量的質量分析を用いて,解糖およびグルタミノリシスによる炭素コミットメントの有意な変化,ならびにTCAサイクルおよび酸化的リン酸化を介したATP産生を含む,感染後17時間にわたる全体的代謝変化を見出した。樹状細胞のインフルエンザ感染は代謝表現型をもたらし,TLRアゴニストにより誘導されたものと異なり,代謝可塑性に関して有意なレジリエンスを示した。この応答を調節する一つの転写因子としてMycを同定した。Myc活性またはミトコンドリア基質のどちらかの制限は,減少した運動性およびT細胞活性化を含む樹状細胞の先天性免疫機能の有意な変化をもたらした。インフルエンザ感染後に分離した炎症性樹状細胞のトランスクリプトーム分析は,in vivoで同様の代謝リプログラミングが起こることを示した。したがって,感染過程の初期には,樹状細胞は,感染後の肺DC9日に存在する全体的代謝再構築に応答し,それらのエフェクター機能に影響を与え,樹状細胞における代謝スイッチングがインフルエンザ感染に対する免疫応答を開始する際に重要な役割を果たすことを示唆する。インフルエンザ感染に対するAuthor SummaryIn応答は,効果的な免疫応答を取り付けるのに重要である樹状細胞が,大きな代謝シフトを受けることを見出した。それらは,c-MYCを含む数百の蛋白質の濃度および位置を変化させ,また,燃料呼吸に関して柔軟である高解糖表現型へのシフトを仲介する。樹状細胞はインフルエンザに対する免疫応答を開始し,ウイルスクリアランスを可能にし,その後の感染に対する防御のための免疫記憶を示す適応応答を活性化する。特異的代謝経路または基質への制限アクセスは,重要な免疫機能を低下させることを見出した。以前に,感染呼吸上皮細胞における即時,固定,高代謝状態について述べた。ここでは,上皮と樹状細胞の代謝応答が異なることを示す。ここでは,樹状細胞が病原体またはTLR刺激に対する代謝反応を調節することも示した。この代謝リプログラミングはin vitroで急速に生じ,インフルエンザ感染後少なくとも9日間in vivoで炎症樹状細胞で持続した。したがって,代謝を標的とする薬物は感染との関連で細胞及び病原体特異的活性を有するようである。これらの研究は,特異的細胞の機能を増強または減少させるための代謝療法をカスタマイズすることによりウイルス感染に対する免疫応答を調節する可能性を開く。【JST・京大機械翻訳】
