抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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汎癌型にわたって研究されたよく確立された現象である上皮間葉転換(EMT)は,腫瘍浸潤と転移の駆動における主要なプレーヤーであると長い間知られてきた。最近の研究は,転移における部分的EMT表現型の重要性を強調した。上皮と間葉の表現型状態の間の遷移状態として,部分的EMT状態は,現在,腫瘍内不均一性と表現型可塑性の重要なドライバーとして広く認識され,さらに腫瘍転移と治療抵抗性を加速する。しかし,腫瘍微小環境がどのように部分EMT表現型を調節するかは不明である。腫瘍内因性低酸素と集団移動細胞の出現を再現するユニークなサイズ制御三次元マイクロ腫瘍モデルを開発した。本研究では,腫瘍内因性低酸素がT47D乳癌細胞から作製された低酸素性大小腫瘍における部分的EMTおよび集団的移動を調節する方法を理解するために,これらのミクロ腫瘍モデルをさらに検討した。また,低酸素,移動微小腫瘍の全体的遺伝子発現プロファイルを,初期および後期時点における非低酸素性,非遊走性微小腫瘍と比較した。微小腫瘍モデルを用い,腫瘍内因性低酸素(初期対後期),部分的EMTおよび移動(移動前対移動表現型)に対する特異な遺伝子シグネチャを同定した。低酸素,部分EMTおよび移動シグネチャーの重複を伴う微小腫瘍モデル間の差次的遺伝子発現分析により,低酸素応答遺伝子であるプロリル4-ヒドロキシラーゼサブユニット2(P4HA2)を低酸素,部分的EMTおよび集団移動に共通する中心的調節因子として同定した。さらに,P4HA2の阻害は低酸素微小腫瘍における集団移動を有意に阻害した。このように,統合計算-実験解析を用いて,腫瘍内因性低酸素駆動部分EMTおよび集団移動におけるP4HA2の重要な役割を同定した。【JST・京大機械翻訳】