抄録/ポイント：
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Aedesベクター蚊における効率的なウイルス複製は,ヒト集団におけるデング熱ウイルス(DENV)のようなアルボウイルス疾患の伝播に必須である。脊椎動物と同様に,ウイルス-宿主蛋白質-蛋白質相互作用は,蚊ベクターにおけるウイルス複製と免疫回避に必須である。ここでは,DENV非構造蛋白質NS1及びNS5と相互作用する79の蚊宿主蛋白質を無標識質量分析により同定し,次いで機能的スクリーニングを行った。オリゴサッカリルトランスフェラーゼ複合体のような哺乳類で以前に観察された宿主因子との相互作用を確認し,蚊に特異的と思われる蛋白質-蛋白質相互作用を同定した。相互作用者の中で,RNA干渉(RNAi)補因子である二本鎖RNA(dsRNA)結合蛋白質Loquacous(Loqs)は,蚊細胞におけるDENVおよびZikaウイルス(ZIKV)の効率的な複製に必須であることを見出した。Loqsは,ウイルスRNA安定性またはDENVレプリコンの翻訳に影響せず,そのプロウイルス活性はRNAi調節活性とは無関係であった。興味深いことに,Loqsは感染細胞においてウイルス複製オルガネラにおいてDENV dsRNAと共局在し,in vitroで3非翻訳領域(KD=100-200nM)においてDENV RNAと高親和性と直接相互作用した。この研究は,DENV NS1とNS5に対するインタラクトームを提供し,蚊における重要なプロウイルス宿主因子としてLoqsを同定した。著者らは,DENVがそれ自身のRNAの複製のためのRNAi機構の因子であることを示唆する。AUTHOR SUMMARYDengueウイルスは,熱帯と亜熱帯に固有の蚊伝染ウイルスであり,毎年推定390百万人に影響する。感染,病因および免疫回避の機構は,ヒトで広く研究されているが,Aedes 蚊における複製は,アルボウイルス伝達サイクルの重要な段階であるにもかかわらず,あまり注目されていない。ここでは,デング熱ウイルス非構造蛋白質NS1とNS5により動員されたAedes 蚊蛋白質を同定するためのプロテオミクスアプローチを用いた。哺乳類においてDENVと相互作用する以前に確立された宿主蛋白質に加えて,著者らは蚊の抗ウイルスRNAi免疫応答に関与する二本鎖RNA結合蛋白質であるLoquacousを同定した。意外なことに,我々のデータは,ウイルスRNA複製を促進するために複製オルガネラに動員されるプロウイルス因子としてのLoquacous機能を示した。DENVは,それ自身の利益のために,Loquacousのような宿主免疫成分を利用することを提案する。【JST・京大機械翻訳】
