抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿は,沖縄県久米島町に展開する織物業を対象とし,原材料,労働力,生産組織等の分析を通して織物産地の存続について考察したものである.久米島紬産地の存続は第一義的に需要の変動という経済条件に規定されるが,それに対応する産地基盤の確立とそれを支える地域のあり方もきわめて重要な要素である.調査・分析の結果,久米島紬産地の存続には,継続的な原材料と労働力の供給,生産を支えるユイという労働の交換組織の存在が大きな役割を果たしてきたことが明らかである.伝統的地場産業産地の存続基盤は,地域の歴史・社会・文化等の非経済的要素が埋め込まれた空間(本稿では,共生互助空間)にあり,久米島紬産地はそれが強く機能している.そして,久米島紬産地は,今日における和装需要の著しい低下によって経済論理が優先される経済空間に置換されつつあるが,共生互助空間の存在が産地の存続に大きな役割を果たしている.(著者抄録)