抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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ホスファチジルイノシトールリン酸は膜輸送と細胞極性を含む調節的役割の範囲を有する重要なリン脂質である。ゴルジにおけるホスファチジルイノシトール-4-リン酸[PI(4)P]は,ヒト病原性真菌Candida albicansにおける糸状増殖移行への出芽に必要であるが,細胞膜PI(4)Pの役割は明らかではない。PI-4-キナーゼ複合体,すなわち,Efr3,Ypp1およびStt4の成分の欠失を介して,細胞膜PI(4)Pのレベル低下により,C.albicans増殖,ストレス応答および病原性におけるこのリン脂質の重要性を調べた。efr3{Delta}/{Delta}とypp1{Delta}/{Delta}変異体における細胞膜PI(4)Pの量は,野生型株の[ ̄]60%と[ ̄]40%であり,一方,stt4{Delta}/{Delta}変異体ではほとんど検出されなかった。3つの変異体すべては,細胞膜ホスファチジルセリン(PS)を減少させた。これらの変異体は正常な酵母相増殖を有したが,それらは糸状増殖に欠陥があり,細胞壁完全性の欠損を示し,細胞壁{β}(1,3)-グルカンの曝露が増加したが,それらは菌糸特異的遺伝子の範囲を誘導した。血行性播種性カンジダ症のマウスモデルにおいて,真菌形質膜PI(4)Pレベルは,病原性と直接相関した。efr3{Delta}/{Delta}は野生型の病原性を有し,ypp1{Delta}/{Delta}変異体は毒性を減弱し,stt4{Delta}/{Delta}変異体は致死を引き起こさなかった。または咽頭カンジダ症のマウスモデルにおいて,ypp1{Delta}/{Delta}変異体のみが毒性を低下させ,細胞膜PI(4)Pが口腔咽頭における増殖に対して重要でないことを示した。まとめると,これらの結果は,細胞膜PI(4)PレベルがC.albicansにおけるフィラメント化,細胞壁完全性および病原性において中心的役割を果たすことを示す。PI-4-キナーゼPik1とStt4はどちらもPI(4)Pを産生し,前者はゴルジでPI(4)Pを生成し,細胞膜で後者とこれら2つのプールは機能的に異なる。Candida albicansにおける細胞膜PI(4)Pの重要性に対処するために,3つの推定形質膜PI-4-キナーゼ複合体成分の欠失変異体を作成し,これらの株の各々における細胞膜PI(4)Pのレベルを定量した。本研究は,このホスファチジルイノシトールリン酸がマウス全身感染モデルにおける酵母-菌糸転移,細胞壁完全性および病原性に特に重要であることを明らかにした。本研究の意義は,感染特異的役割を持つ細胞膜リン脂質の同定にあり,これは,{β}(1,3)-グルカン非マスキングをもたらす細胞膜PI(4)Pの損失に起因する。【JST・京大機械翻訳】
