抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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病原性Chlamydia種は,その極性化細胞分裂過程中の中隔ペプチドグリカン合成を指示するために,ロッド形状決定蛋白質MreBを用いるコッコイド細菌である。分極出芽の部位が,膜曲率のような文脈的特徴が一見同一であるこの細菌で決定される。細胞膜の特異的領域におけるリン脂質,カルジオリピン(CL)の蓄積は,芽が出現する部位へのMreBの動員を誘発する局所膜変化を誘導すると仮定した。これを試験するために,カルジオリピンシンターゼ(Cls)を異所的に発現させ,Chlamydia trachomatisにおけるこの酵素の極性分布を観察した。初期分裂中間体において,ClsはMreBが局在し,ペプチドグリカン合成が開始される芽部位に限定されていた。分裂中のClsの局在化プロファイルは,CLを標識する色素であるNAOで染色する脂質の分布を模倣した。CL含有膜ドメインを標的化する抗生物質,3,6-ジノニルアミン(diNN)によるChlamydia処理は,ClsとNAO染色リン脂質の再分布を生じた。さらに,MreB局在はdiNN処理により変化し,MreBの集合を指示するCL含有膜の上流調節的役割を示唆した。この仮説は,Clsのクラスタ化局在化がMreB機能またはペプチドグリカン合成に依存しないという観察と一致する。さらに,C.trachomatisの内膜におけるCL結合蛋白質の発現は細菌増殖を劇的に阻害し,分裂過程におけるCLの重要性を支持した。本知見は,Chlamydiaの極性化細胞分裂中の芽部位でのMreB集合の駆動における局在CL合成の重要な役割を暗示する。【JST・京大機械翻訳】