抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Hippo腫瘍抑制経路の調節とYAP/TAZの過活性化は,ヒト癌でしばしば観察され,有望な治療標的を示す。しかしながら,哺乳類Hippo経路を標的とする戦略は,良く確立された細胞表面レギュレーターの欠如により制限される。蛋白質インタラクトームデータと臨床データを結合することにより,Hippo経路の上流調節因子として膜貫通蛋白質KIRREL1を同定した。KIRREL1は,その細胞内C末端ドメインを介してHippo経路成分SAV1とLATS1/2と相互作用し,MST1/2(Hippoキナーゼ)によるLATS1/2活性化を促進し,YAP/TAZ活性と標的遺伝子発現を阻害する。逆に,YAP/TAZはTEAD1-4依存的にKIRREL1の発現を直接誘導する。YAP活性化により駆動されるマウス肝臓腫瘍において,KIRREL1蛋白質はロバストに誘導される。さらに,KIRREL1発現は臨床腫瘍標本における正準YAP/TAZ標的遺伝子発現と正に相関し,予後不良を予測する。最後に,KIRREL1のトランスジェニック発現はマウス肝内胆管癌モデルにおける腫瘍形成を効果的に阻止し,癌発生の阻害におけるKIRREL1の重要な役割を示唆した。まとめると,これらの知見は,KIRREL1がHippo経路を調節する負のフィードバック機構を構成し,YAP/TAZ依存性を有する癌における細胞表面マーカーおよび潜在的薬物標的として機能することを示す。【JST・京大機械翻訳】