抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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COVID-19パンデミックの下での外出自粛によって,パン作りブームが起こった。本研究では,標準小麦粉とプレミックス小麦粉に及ぼすこの危機的状況の影響を,変量効果トービットモデルを採用し,神奈川県の家庭スキャンデータを用いて調査した。観光業やレストラン業のようなCOVID-19によって影響を受けた部門の消費者は,プレミックス小麦粉の需要の増加は示したが,標準小麦粉の需要は少なかった。収入が減少しているか,減少すると予想される家庭は,パン作りの需要は示さず,どちらかと言えば外食または昼食料理の代替品としてプレミックス小麦粉の需要が多かった。需要関数の推定結果から,標準小麦粉とプレミックス小麦粉は互いに代替できるが,プレミックス小麦粉は,標準小麦粉と,その反対よりも容易に代替できることが示された。在宅期間において,プレミックス小麦粉の需要は,標準小麦粉,特に国産小麦から加工された小麦粉によって代替された。COVID-19パンデミック期間中,価格弾力性はプレミックス小麦粉では上昇したが,標準小麦粉では低下した。国産小麦の価格非弾力性は,消費者が国産小麦に強いこだわりを持ち,価格変化がそれらの需要に影響を与えないことを意味している。一方,国産小麦を用いたプレミックス小麦粉は,高い価格弾力性のために外国産小麦製品によって簡単に代替されることが示された。本研究結果から,国産小麦粉は,COVID-19パンデミック期間中に供給量が増加しなかったことから,高価格であったことが示された。(翻訳著者抄録)