抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国内外の課題の複雑化・深刻化を背景に,未来社会に向けた科学技術への大きな期待がある。また,このような課題への対処は,個別のセクターでは不可能であり,社会全体のエコシステムの中に日本の科学技術コミュニティもつながっていく必要性があるとの問題意識がある。このため国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)では,2018年から,賛同する機関等とともに未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(CHANCE)構想を推進してきた。今回,発足以来約3年間の取組を振り返り,ファンディング機関がこのような機能を持つ意義と課題を展望した。この間の発見は,“CHANCE”のような枠組みの価値として,新産業や課題解決を模索する機関等とアカデミアが長期目線で共に議論する機会は求めがありつつもこれまで乏しく,JSTのような公的機関が関わることで取組のハードルを下げる可能性があることであった。また,つくりたい未来社会像を共有する取組の観点では,そこで見いだされた解くべき課題に向け実働するための制度・事業とつながっていない課題がある。一方,そのような議論にJSTを含む科学技術コミュニティが参画できる信頼関係が構築できたことは,前進だった。さらに,イノベーション創出の観点では,オープンに共創するフェーズとクローズで競争するフェーズを組み合わせる必要性が再確認でき,取組に参加した研究者等からはオープンな共創的議論の必要性を評価する声が聞かれた。一方,ビジネス化といった成果の可視化には時間を要することへの理解,また,前提として個人・個社の競争力確保や評価する仕組み等整理すべき点があることは今後の課題である。(著者抄録)