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J-GLOBAL ID:202202259195357702   整理番号:22A0884317

両面マッチング市場における戦略的選好形成に関する実験的研究

An experimental study on strategic preference formation in two-sided matching markets
著者 (1件):
資料名:
号: 1169  ページ: WEB ONLY  発行年: 2022年03月 
JST資料番号: U2519A  ISSN: 2435-0982  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
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誰かと誰か(あるいは何か)をむすびつけることをマッチングとよび,就活市場はマーケットデザインの枠組みで企業と学生の多対一の二部マッチング問題として考えることができる。代表的なマッチングメカニズムに,Gale and Shapley(1962,Am.Math.Mon.)によって提案されたDeferred Acceptance(DA)メカニズムがある。DAメカニズムは,正直に希望順位を提出すれば安定的な結果が得られる。DAメカニズムはアメリカの研修医配属マッチング(NRMP)などでも用いられており,幅広く応用がなされている。しかし,実証や実験によって様々な要因で理論予測から逸脱する行動が観察されている。観察される逸脱行動のひとつにskipping-down戦略(Echenique et al.,2016,Quant.Econ.など)というものがある。これは,相手からの希望が高ければ自分の真の選好ではなく,その相手を上位にして選好を報告するという逸脱行動である。日本の就活市場は,研修医マッチングのように集権的ではないが,就活情報のプラットフォーム企業が集権的機能の一部を担っているかもしれない。就活市場におけるマッチングメカニズムの応用の提言もなされている(栗野,2018,日本経済新聞)。2019年,就活情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが,同サイトを利用する就職活動中の学生の応募状況や各企業のページの閲覧時間などの行動データを(学生本人の同意を得ることなく)収集し分析して,内定辞退率を予測し,その予測情報を企業に販売していたことが明らかとなった。予測情報を購入した採用活動中の企業は,リクナビを介して学生の企業に対する選好の情報を手に入れて,自らを高く評価する学生を優先的に採用するskipping-down戦略をとっていたと解釈することができる。企業がskipping-down戦略にしたがって採用活動を行っていることが周知の事実であるとき,学生がどのような選好表明を行うのかについては明らかになっていない。本研究では,学生提案型のDAメカニズムによる集権的なマッチング市場において,企業が選好の正直申告をする場合とskipping-down戦略をとる場合のそれぞれにおける学生の選好表明の違いを,実験室実験を用いて明らかにした。実験の結果,企業がskipping-down戦略をとっていることを学生が知っている場合,ほとんどの学生は選好の正直申告をせず,その帰結としてマッチングの安定性が低下することが分かった。さらに,学生の選好表明の傾向が,正直申告とskipping-down戦略という両極端な選択肢に対して中間的な選択肢を選ぶ妥協戦略(Compromise Strategy)であることを発見した。本研究の結果は,「リクナビ」のような就職活動情報のプラットフォームが学生の選好表明をした場合,学生と企業のマッチングにおける安定性が低下することを示唆している。(著者抄録)
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