抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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馬鈴薯澱粉には,リンがエステル結合した形で特に多く存在し,このようなリン酸基には種々の陽イオンがイオン結合している.馬鈴薯澱粉は他の澱粉と比べて粘度が高いが,その理由としてリン酸基が影響していると考えられている.筆者は,馬鈴薯澱粉に含まれるリン酸基に着目し数多くの研究成果を生み出した.まず,収穫日の異なる馬鈴薯数品種から得られた澱粉特性を検討し,収穫日が遅くなると,リン含量,最高粘度が高くなることを明らかにした.分級によって得られた粒子径の異なる澱粉特性を評価したところ,極小粒子の澱粉にはリンを明らかに多く含むが,最高粘度は低いことが判明した.リン含量の異なる馬鈴薯をはじめとした根茎澱粉を酵素により消化したところ,澱粉中にリン酸基が多く存在すると消化されにくいことが確認された.澱粉中のリンの麺物性に与える影響に関する研究も行い,リン含量が高い馬鈴薯澱粉を用いた即席麺では腰が強く,冷麺ではぷりっとした食感になることを明らかにした.さらに,カルシウムをはじめとした2価の陽イオンに置換することにより粘度特性が改善された馬鈴薯澱粉の調製法についても確立した.(著者抄録)