抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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植物の葉に出現する斑紋には様々な色や形状がある。斑紋の形成要因については過去に「クロロフィル型」「色素型」「細胞空隙型」「表皮型」「付属物型」の5つが示されているがこれらの要因によって形成された斑紋の適応的意義については明らかになっていない。本研究では斑紋を持つ植物12科15種について徒手切片による葉の解剖学的観察を行った。それにより15種のうち14種が色素の多様化に伴う斑紋を4種が構造の多様化に伴う斑紋を持つことが明らかになった。このうち5種は複合的な要因によるものであった。これまでの報告では斑紋の形成要因が複合的であることは稀であると報告されているが実際には2つ,またはそれ以上の要因で斑紋が形成されている可能性を示した。また本研究では,これまで定義されていた斑紋出現要因のうち「クロロフィル型」については色素の欠乏であるとされていたが,クロロフィルの集積によるものを含むべきであること「表皮型」については表皮細胞の厚さの変化であるとされていたが,表皮細胞の形状の変化によるものも含むべきであることを提唱した。斑紋には広く多型性があるため斑紋形成の複合的要因と斑紋形成機構を明らかにしその適応的意義を生態学的・生地学的要因から明らかにすることが期待される。(著者抄録)