抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高分子には柔軟性や自己修復性が付与できるため,将来的には曲げられる固体電池の開発が期待されている。これを実現するためには,固体電解質に対して電極と活物質の界面を設計することが不可欠である。本研究の全体目的は,電極と活物質界面におけるイオン伝導性高分子の分子配向とイオン輸送の相関を明らかにし,特に炭素電極と活物質表面に沿って界面を設計することである。炭素表面におけるイオン伝導性高分子の分子配向を評価する新しい方法を確立した。イオン伝導度測定については,炭素電極表面に沿ったイオン伝導性高分子薄膜の面内イオン伝導度をインピーダンス法で直接観測できないことが文献で指摘されている。本報告では,全固体電池や燃料電池の界面設計に必要な,カーボン電極上のイオン伝導性高分子のイオン伝導度を測定するための新しい確立した方法を実証するものである。リソグラフィー技術により,白金櫛型電極の内側にカーボン電極パッドを配置した櫛型電極を作製し,カーボン界面上のNafion薄膜のプロトン伝導度を測定した。96%RHでのカーボン界面の面内プロトン伝導度は20-30mScm
-1と比較的高く,これは以前報告した石英上のNafion薄膜の約2倍である。また,蒸着したPt表面の薄膜と同等のプロトン伝導性を有することがわかった。この結果は,炭素電極表面に沿ったイオン導電性高分子薄膜の面内イオン伝導度をインピーダンス法で求める方法を確立したと言え,全固体電池やエネルギーデバイスの界面設計に応用することができる。(翻訳著者抄録)