特許
J-GLOBAL ID:202303002554304140

2種以上の検査を実施可能な遺伝学的解析方法

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (2件): 辻田 朋子 ,  村松 大輔
公報種別:特許公報
出願番号(国際出願番号):特願2022-205502
特許番号:特許第7331325号
出願日: 2022年12月22日
要約:
【課題】本発明は親子鑑定、表現型解析及び染色体数異常の診断から選ばれる2以上の検査を実施可能とする新規の技術を提供することを課題とする。 【解決手段】本発明は以下の(i)~(iii)の2以上の条件を満たす解析対象群について解析を行い、表現型解析工程、親子鑑定工程及び染色体数異常評価のための指標算出工程の2種以上を含む遺伝学的解析方法である。 (i)表現型との関連性を有することが既知である一塩基多型座位の数の割合が10%以上 (ii)マイナーアレルの出現頻度が1%~50%であり、かつ、染色体上において20kb以上の距離をもって互いに離れている一塩基多型座位の数の割合が10%以上 (iii)13番染色体、18番染色体、21番染色体、X染色体及びY染色体に存在する一塩基多型座位の数の割合が10%以上 【選択図】図1
請求項(抜粋):
【請求項1】 複数の一塩基多型座位からなる解析対象群を解析する遺伝学的解析方法であって、 前記解析対象群は、以下の(i)~(iii)から選ばれる2以上の条件を満たし、;(i)解析対象群に含まれる一塩基多型座位の総数に占める、表現型との関連性を有することが既知である一塩基多型座位の数の割合が10%以上である。(ii)解析対象群に含まれる一塩基多型座位の総数に占める、マイナーアレルの出現頻度が1%~50%であり、かつ、染色体上において20kb以上の距離をもって互いに離れている一塩基多型座位の数の割合が10%以上である。(iii)解析対象群に含まれる一塩基多型座位の総数に占める、13番染色体、18番染色体、21番染色体、X染色体及びY染色体に存在する一塩基多型座位の数の割合が10%以上である。; 子の遺伝情報を含む核酸を含有する子核酸サンプルと、 父の遺伝情報を含む核酸を含有する父核酸サンプル及び/又は母の遺伝情報を含む核酸を含有する母核酸サンプルと、 を分析して、 それぞれのサンプルに含まれる核酸における、前記解析対象群に含まれる複数の一塩基多型座位におけるアレルの配列情報と、前記一塩基多型座位を含む領域及び/又は当該アレルの相対的又は絶対的な存在量を反映した数値と、を含むデータを取得し、 前記データに基づき、ジェノタイピングを行うジェノタイピング工程を含み、 さらに、以下の表現型解析工程、親子鑑定工程、及び染色体数異常評価のための指標算出工程から選ばれる2種以上の工程が、一度の前記分析によって得られた前記データに基づき実行されることを含み、 前記表現型解析工程を含む場合には、前記解析対象群は前記(i)の条件を満たし、 前記親子鑑定を含む場合には、前記解析対象群は前記(ii)の条件を満たし、 前記染色体数異常評価のための指標算出工程を含む場合には、前記解析対象群は前記(iii)の条件を満たすことを特徴とする、遺伝学的解析方法。<表現型解析工程> 前記ジェノタイピング工程で得られた、前記表現型との関連性を有することが既知である一塩基多型座位のジェノタイピングの結果に基づいて、少なくとも前記子において、当該一塩基多型座位におけるマイナーアレルに関与する前記表現型が発現する可能性を解析する工程(但し、人間が疾患であるか否かを診断することを含まない。)。<親子鑑定工程> 前記ジェノタイピング工程の結果に基づき、前記複数の一塩基多型座位のそれぞれについて父性指数(Paternity Index,PI)を求め、前記PIを総乗して総合父性指数(Combined Paternity Index,CPI)を求めることを含む、前記父と前記子との親子関係の存否を鑑定する工程、あるいは 前記ジェノタイピング工程の結果に基づき、前記複数の一塩基多型座位のそれぞれについて母性指数(Maternity Index,MI)を求め、前記MIを総乗して総合母性指数(Combined Maternity Index,CMI)を求めることを含む、前記母と前記子との親子関係の存否を鑑定する工程であって、 前記子が出生前の胎児であり父子鑑定を行うケースと、前記子が出生後であり父子鑑定を行うケースと、前記子が出生後であり母子鑑定を行うケースのそれぞれについて、以下の通りPI又はMIを算出することを含む工程。子が出生前の胎児であり父子鑑定を行うケース: 前記子核酸サンプルが、前記子を妊娠中の母親から採取された循環無細胞核酸サンプルであり、 前記循環無細胞核酸サンプルと前記父核酸サンプルの2種のサンプルの分析により、前記父と前記胎児のジェノタイピングを行う場合には、表1又は表2に従ってPIを算出し、 前記循環無細胞核酸サンプル、前記父核酸サンプル及び前記母核酸サンプルの3種のサンプルの分析により、前記父と前記母と前記胎児のジェノタイピングを行う場合には、表3又は表4に従ってPIを計算する。子が出生後であり父子鑑定を行うケース: 前記子核酸サンプルと前記父核酸サンプルの2種のサンプルの分析により、前記父と前記子のジェノタイピングを行う場合には、表5に従ってPIを算出し、 前記子核酸サンプル、前記父核酸サンプル及び前記母核酸サンプルの3種のサンプルの分析により、前記父と前記母と前記子のジェノタイピングを行う場合には、表6に従ってPIを算出する。子が出生後であり母子鑑定を行うケース: 前記子核酸サンプルと前記母核酸サンプルの2種のサンプルの分析により、前記母と前記子のジェノタイピングを行う場合には、表7に従ってMIを算出し、 前記子核酸サンプル、前記父核酸サンプル及び前記母核酸サンプルの3種のサンプルの分析により、前記父と前記母と前記子のジェノタイピングを行う場合には、表8に従ってMIを算出する。(表1~4においては、循環無細胞核酸サンプルの分析において相対的に信号強度が大きいアレルをA、相対的に信号強度が小さいアレルをBと表記している。 表1及び表2中のk0は偽陰性率(false negative rate)であり、kbは擬陽性率(False positive rate)であり、aはAの出現頻度であり、bはBの出現頻度である。 表5~8中、μは突然変異率であり、a及びbはそれぞれアレルAとアレルBの出願頻度であり、αはアレルAの平均除外力であり、βはアレルBの平均除外力である。)<染色体数異常評価のための指標算出工程> 前記データに含まれる前記数値に基づき、少なくとも前記子における、13番染色体、18番染色体、21番染色体、X染色体及びY染色体の数的変異の有無を評価するための指標として、Zスコア又はNCV(Normalized Chromosome Value)を算出する工程であって、 N番染色体についてのZスコア(ZchrN)は以下の式(1)に基づいて求め、参照とするM番染色体に対するN番染色体に関するNCV(NCVchrN by chrM)は以下の式(2)で求める工程。・・・式(1)(式(1)においてNは13、18、21、X又はYであり、 「proportion of chr N」は、前記子核酸サンプルを分析したときの全染色体(但し13、18、21番、X及びY染色体を除く)の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合である。 「mean of proportion of chr N in reference disomic population」は、正常な染色体数(ダイソミー)を含む複数の標準サンプルを分析したときの全染色体の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合の平均である。 「SD of proportion of chr N in reference disomic population」は、正常な染色体数(ダイソミー)を含む複数の標準サンプルを分析したときの全染色体の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合の標準偏差である。)・・・式(2)( 式(2)において、「Normalized proportion of chr N by chr M」は、前記子核酸サンプルを分析したときのM番染色体の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合である。 「mean normalized proportion of chr N in reference disomic population」は、正常な染色体数(ダイソミー)を含む複数の標準サンプルを分析したときのM番染色体の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合の平均である。 「mean normalized proportion of chr N in reference disomic population」は、正常な染色体数(ダイソミー)を含む複数の標準サンプルを分析したときのM番染色体の存在量を反映した数値に対する、N番染色体の存在量を反映した数値の割合の標準偏差である。)
IPC (1件):
C12Q 1/68 ( 201 8.01)
FI (1件):
C12Q 1/68 100 Z
引用特許:
審査官引用 (2件)

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