抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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わが国では近年,政府全体としてEBPMが強力に推進され,各府省において関連の取り組みが広がってきた。しかしながら,各府省では従前からの取り組みも含めエビデンスはきわめて多様な形で政策に用いられており,その様態は政策分野や課題によって異なっている。これまで,いくつかのEBPMの分野横断的研究がなされてきたが,そうした研究では分野間比較を行うフレームワークが設定されておらず,EBPMに関わる課題の全体像は明らかになっていない。筆者らは,科学-政策インターフェース(SPI)という概念的フレームワークを用いて,実践的な観点からわが国のEBPMの現状と課題に関する分野横断的研究を行った。12の政策分野を対象としたこの研究では,EBPMの実践に関する6つの一般的な課題群を特定し,それらに対する各分野の対応状況を整理した。その内容をベースに,本稿ではSTI分野のEBPMの現状と課題について,他分野と比較したときどのような特徴をもつといえるのかを論じる。全体として,STI分野ではさまざまな性格や精度のエビデンスが,必ずしも直接的に政策の根拠となるのではなく,限定的ではあるが多面的な政策上の有用性をもって機能しているといえる。(著者抄録)