グリセロール生産菌Candida versatilis SN-18が見せるグリセロール生成機構の新たな展開

水島大貴; 水島大貴; 石川浩介; 石牧優規; 伏屋瑞季; 春見隆文

文献

J-GLOBAL ID：201702229761837001 整理番号：17A0629414

グリセロール生産菌Candida versatilis SN-18が見せるグリセロール生成機構の新たな展開

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著者 (6件)： , , , , ,
資料名：
巻： 7 号： 2 ページ： 76-83 発行年： 2017年05月20日
JST資料番号： L7982A ISSN： 2185-6427 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：文献レビュー発行国：日本 (JPN) 言語：日本語 (JA)

Candida versatilis SN-18を用いた微生物発酵によるグリセロール生産を目指し,高糖濃度条件下における本酵母のグリセロールの生成機構を解析した。本酵母は,浸透圧ストレス条件下のグリセロール生成に必須であるglycerol 3-phosphate dehydrogenase(GPD)をコードするCvgpd1およびCvgpd2を有しており,それらはゲノムDNA上に直列且つ近接して存在していた。Cvgpd2は溶質の種類にかかわらず常に一定の発現を示した。一方,Cvgpd1はNaCl存在下では直ちに転写が誘導されるのに対し,20%グルコース存在下では培養72時間までに徐々に誘導された。いずれもCvgpd1の誘導に伴ってグリセロール生産量が増加したことから,Cvgpd1が本酵母のグリセロール生産に重要な役割を果たしていることが明らかになった。さらに,それらの結果は,溶質の種類や培養時間の増加によってもグリセロール生産が制御されていることも示した。本研究で明らかになった本酵母のグリセロール生成機構は,これまでの浸透圧ストレスと関連付けたグリセロール生成機構とは異なる機構の存在を予測させた。(著者抄録)

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微生物代謝産物の生産

引用文献 (39件)：

1) A. Muhammad and Z.A. Ahmad: Critical review on the current scenario and significance of crude glycerol resulting from biodiesel industry towards more sustainable renewable energy industry. Renew. Sust. Energ. Rev., 16, 2671-2686 (2012).
2) C. Neuberg and E. Reinfurth: Natürliche und erzwungene Glycerin- bildung bei der alkoholischen Gärung. Biochem. Z., 92, 234-266 (1918).
3) C. Neuberg and E. Reinfurth: Weitere Untersuchungen über die korrelative Bildung von Acetaldehyd und Glycerin bei der Zuckerspaltung und neue Beiträge zur theorie der alkoholischen Gärung. Ber. Deut. Chem. Ges., 52, 1677-1703 (1919).
4) 農林水産省食品総合研究所,日研化学,久保直哉,春見隆文,若生勝雄,小田恒郎:新規微生物を用いた発酵によるポリオール類の製造方法.特開昭62-96089,1987-05-02.
5) 若生勝雄,川口嶽,久保直哉,春見隆文,林清,飯野和久:ポリオール高生産性新規酵母.醗酵工学,66, 209-215 (1988).

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