抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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多くの銀河団の中心領域には,周囲に比べて低温の電離ガスが存在している。その領域はクールコアと呼ばれ,大きさは典型的には100kpc程度である。クールコアがどのように形成され,なぜ安定して存在し,大きさは何で決まっているのか,20年以上も論争が続いている。われわれはこの問題に立ち向かうべく,クールコアをもつ十分緩和した銀河団の典型として考えられてきたAbell1835銀河団に着目した。われわれはX線天文衛星Chandraの長時間観測のデータを元に,独自の手法で表面輝度の平均成分をモデル化し差し引くことで,大きさが70kpcの渦巻構造を残差画像の中に見つけた。渦巻は残差に対し超過している領域と,不足している領域から構成されている。X線スペクトル解析から超過領域と不足領域の高温ガスの温度差が1,500万度程度あることが明らかになり,さらに圧力平衡かそれに近い状態であることがわかった。これらは質量の大きな差のある銀河団の衝突により,中心部の暗黒物質が揺り動かされ,その運動に銀河団高温ガスが引きずられて動くガススロッシング現象が起きていることを示唆する。渦巻はクールコア内から外側の高温領域まで伸びている。より高温のガスがクールコアに流入することで,クールコアの安定化に寄与していると考えられる。(著者抄録)