抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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染料排水に含まれるアゾ色素を生物処理するさい,アゾ結合の開裂を起こすための嫌気条件と,それにより生じる芳香族アミンを酸化分解するための好気条件といった酸化還元電位の異なる2つの環境が必要である。この中間生成物である芳香族アミンは微生物への毒性が報告されており,中間生成物が逐次的に分解されるシステムの構築が望ましい。厚さ方向において好気・嫌気部位といった異なる環境を有するバイオフィルムの効率的な利用を目指し,本研究ではガス透過膜の片側から空気を供給し反対側に形成されるバイオフィルムに酸素を供給可能なメンブレンエアレーション型バイオフィルムリアクター(Membrane-aerated biofilm reactor(MABR))の開発を行なった。空気の供給圧力を調整することにより,ガス透過膜からの酸素供給量の制御が可能であることが示された。アゾ色素・窒素を含む人工排水の連続通水試験より,105日目以降において,有機炭素負荷0.51kg-C/m
3・dにおいてアゾ色素(Acid Orange7:AO7)の除去率95%以上を達成した。また,流出水中に芳香族アミン(SA,1A2N)も90%以上除去されたことから,バイオフィルム内で逐次的な嫌気・好気反応が起こり,分解が進んだことが示唆された。さらに,窒素負荷0.12kg-N/m
3・dにおいて窒素化合物の80%がバイオフィルム内で除去されており,硝化・脱窒の逐次的な反応が進行していることが示された。以上より,MABRを用いたアゾ色素および窒素化合物の単一槽内同時除去のコンセプトを証明した。(著者抄録)