抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
Backscatter通信を用いることで,通常数十mWの消費電力がかかるところを最大で1/1000の数十μWの電力で電波によるデータの送受信が可能となる.しかしながら,backscatter通信を行う複数のノードが同一空間内に存在する場合,backscatter tagは帯域制限フィルタを持たないため,送信スペクトルの高調波と側波帯が高いレベルにあり,多重化数が制限されることが問題となる.高調波や側波帯を抑制する方法として,インピーダンスの多段的な切り替えや逆位相の信号の生成が考えられるが,backscatter tagのハードウェアコストが増大する.本稿では,信号処理の観点から複数のbackscatter通信を共存させるHarmonics-Controlled Frequency Division Multiple Access(HC-FDMA)を提案する.HC-FDMAは,複数の通信の高調波を任意のチャネルに集約するように制御する変調方式と,信号成分,高調波,側波帯の周波数を最適化するチャネル選択アルゴリズムから構成される.解析評価から,HC-FDMAを用いるbackscatter通信はHC-FDMAを用いない場合と比較して1.45倍の多重化を実現可能であることが分かった.また,実機実験から,ハードウェア制約下においてもHC-FDMAはHC-FDMAを用いない場合と比較して第3次高調波を最大で約3dB抑制することを確認した.さらに,HC-FDMAによる高調波抑制率の上限を明確にすることで,提案手法の有効性を明らかにした.(著者抄録)