抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マメ科緑肥であるシロクローバをリビングマルチとして利用した水稲移植栽培において,湛水開始時期の違いが田面水および土壌N濃度,水稲生育および収量に与える影響を圃場試験とポット試験により検討した.湛水開始時期として水稲の移植前10日,移植後10日および30日の3水準を設けた(それぞれ緑肥標準区,緑肥10日区,緑肥30日区).圃場試験の緑肥標準区,緑肥10日区,緑肥30日区の田面水アンモニア態N濃度のピークは,それぞれ湛水開始後15,4,10日目に見られたことから,湛水処理が緑肥の分解を促進し,緑肥由来Nの放出時期を制御できることを確認した.圃場試験における緑肥30日区は緑肥標準区および10日区に比べ草丈が高い傾向を示した.また,ポット試験において茎数は緑肥標準区および10日区に比べ多かった.圃場試験およびポット試験ともに,収穫時の水稲根,茎葉および穂の各乾物重は緑肥30日区で緑肥標準区および10日区より有意に高いか,もしくは高い傾向を示した.さらに圃場およびポット試験とも水稲収量は,緑肥30日区において緑肥標準区および10日区に比べ高い傾向を示した.ポット試験の緑肥処理区の収穫時雑草量は,緑肥無処理(化学肥料施肥)区に比べ有意に少なかった.これらの結果より,湛水開始時期の遅延により水稲の生育収量が増加する傾向にあることが明らかとなった.(著者抄録)