抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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オンラインコミュニティは,利用者が共通の関心のもとに集い,共通する価値観をもつ個人同士が気軽に相互交流を図る場として,急速に普及してきた。一方で,オンラインコミュニティには,ユーザ間の多様な知識の共有によって集合知を生みだす場としての側面もある。しかし,コミュニティの多様性を高めることは,コミュニティの集合知を高める一方,ユーザ個々人の連帯意識や共感を弱める可能性があるのではないかと考えられる。そこで,本稿では,コミュニティの集合知や問題解決力の充実と,ユーザ個々人の連帯意識や共感の強化,という二種類の目的の間には相反関係があるのではないかとの仮定のもとに,オンラインコミュニティについて考察した。そして,オンラインコミュニティにおける効用間の関係を統一的に説明するエージェント・ベース・モデルを提案し,シミュレーション実験結果をもとに,コミュニティの組織効用とユーザ個人効用との相反関係を強化,あるいは緩和する条件と施策について考祭した。その結果,コミュニティ・ユーザの多様性の観点からは,多様性が高い方が集合知としてのコミュニティの効用は高まるが,連帯意識などのユーザ個人の効用は低くなり,両者の相反関係が強化される傾向が見られることを明らかにした。