抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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4-メチルイミダゾール(4-MI)は,メイラード反応プロセスの結果として形成され,したがって,多くの飲食品に見られる。また,カラメル色の生成の際の副産物として清涼飲料水(すなわち,コーラ)中に見出される。NTPのバイオアッセイは,オスとメスのマウスでの4-MIの肺発がん性の明確な証拠を明らかにしたが,ラットではなく,その後,IARCは,4-MIをグループ2B発がん物質として分類した。4-MIの遺伝毒性試験はエイムス試験で陰性であり,マウスまたはラットでは赤血球小核試験で陰性であった。米国カリフォルニア州EPA(CEPA)は,遺伝毒性の作用様式を除外するための十分な包括的検査が行われておらず,4-MIの発がん性の標的組織が肺であったため,肺をin vitro代謝活性化系のための組織として使用すべきであると評価した。CEPAは,4-MIによる癌の10
-5生涯リスクレベルのノーリスクレベル(NSRL)を非閾値アプローチに基づき29μg/日とした。いくつかの種類のコーラにおいて,NSRLより高いレベルの4-MIが検出されたため,4-MIの健康懸念が注目された。他方,他の規制機関(例えば,欧州食品安全機関,EFSA)は,食品中のカラメル色の使用からの4-MIに対し懸念を示さなかった。EFSAは4-MIが遺伝毒性ではないと評価したため,4-MIの無毒性有害影響レベルは80mg/kg/日と考えられた。本論文では,各種規制機関における4-MIの遺伝毒性評価を提示し,新しい遺伝毒性データに基づいく4-MIのリスク評価を検討した。(翻訳著者抄録)