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J-GLOBAL ID:201902290287862972   整理番号:19A0669450

イオンビームによるナノ構造制御イオン交換膜の合成と海水濃縮への応用 II

Preparation of Nano-Structure Controlled Ion-Exchange Membranes by Ion Beams and Their Application to Seawater Concentration: II
著者 (7件):
資料名:
巻: 2017  ページ: 211-221  発行年: 2019年03月 
JST資料番号: L7131A  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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海水濃縮製塩法における電気透析プロセスの高効率化に向けて,低い抵抗と高い輸率を併せもつ新規なイオン交換膜が求められている。我々は,“イオンビーム照射グラフト重合法”という独自の手法を用いて,電気透析用の新しいナノ構造制御カチオン,アニオン交換膜(以下,それぞれCEM,AEMとする)を合成している。この合成法では,高分子基材膜の重イオンビーム照射で潜在飛跡内に高密度で生成した励起活性種(ラジカルや過酸化物)に対し,カチオンまたはアニオン交換基に変換可能な官能基を有するモノマーをグラフト重合することで,荷電チャネルを形成する。今年度は,合成したCEM,AEMに対してイオン輸送特性の評価を進めるとともに,照射する重イオンビームの種類を変化させ潜在飛跡のナノ構造制御性に関する知見を取得した。また,実際に電気透析セルを用いたモデル海水の濃縮試験を実施した。実験では,高崎量子応用研究所のサイクロトロン加速器からの560MeV129Xe,または310MeV84Krイオンビームを25μm厚のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に真空中で照射した。ETFE膜1cm2当たりに照射した129Xe,84Krイオンの個数(フルエンス)は3.0×108~1.0×109個であった。重イオンビーム照射ETFE膜をいったん大気中に取り出した後,p-スチレンスルホン酸エチル(EtSS)溶液,またはクロロメチルスチレン(CMS)溶液に浸漬し,Ar雰囲気下,60°Cでグラフト重合を行った。その後,それぞれ温水中におけるEtSSグラフト鎖の加水分解,トリメチルアンモニウム水溶液によるCMSグラフト鎖の四級化を経て,ナノ構造制御CEM,AEMを合成した。透過型電子顕微鏡を用いてCEM,AEMの断面観察を行ったところ,垂直に貫通する円柱状の荷電チャネル構造が形成され,異なるイオンの照射によってその直径を制御可能であることが明らかになった。このような高いナノ構造制御性によって,現行膜を凌駕する輸送特性,すなわち膜抵抗<2.0Ωcm2,輸率>0.98が実現するとともに,モデル海水を用いた濃縮試験で濃縮濃度を従来よりも高めることができた。今後は,濃縮性能,特に濃縮濃度,セル電圧,不純物イオン(Ca2+,Mg2+,SO42-)の排除性などを一層向上させることを目指し,海水濃縮試験を進める予定である。輸送特性と濃縮性能の相関を検討し,実験条件の最適化を図ることによって,イオンビーム照射によるナノ構造制御CEM,AEMの実用可能性を見極めるとともに,最高濃縮性能への到達に挑みたい。(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
吸着,イオン交換  ,  放射線重合 
引用文献 (10件):
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