抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
リグニンの有効利用技術の1つとして,POPs(残留性有機汚染物質)の吸着剤としての可能性を検討した。リグニンを主成分とする粉末を原料として活性炭を作成し,その環境中への残留が問題となっているCo-PCB(コプラナーPCB)をターゲットとし,ヘキサン溶液中での活性炭への吸着実験を行った。木質バイマスとしてヒノキの木粉を用い,この木粉をエタノールと水の混合溶液により前処理を行い,前処理サンプルをセルラーゼを用いて糖化した。未処理のヒノキに対し,酵素糖化残渣リグニンの収率は,炭化,賦活のいずれにおいても2倍程度の高い値であった。酵素糖化リグニンは未処理のヒノキよりもリグニンの含有量が高い。糖成分よりもリグニンの方が,有機質の炭化,さらにグラフェン構造の生成において効率が高いため,このような差がみられたものと考えられる。未処理ヒノキ,酵素糖化リグニンいずれにおいても表面積は賦活により大きく増加し,2000m
2/gを超える結果になり,細孔特性においては,未処理ヒノキ,酵素糖化リグニンに大きな差はない。Co-PCBにはベンゼン環のオルト位の塩素原子の置換数によってnon-ortho体,mono-ortho体,di-ortho体の3種類の異性体が存在する。炭化物の吸着率に対し,賦活した吸着剤は高い吸着能を示し,non-ortho体はほぼ100%,mono-ortho体で90%,di-ortho体で25%程度の吸着率が得られた。これらは市販の一般的な活性炭よりも高い吸着率を示した。