抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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糸魚川-静岡構造線(糸静線)北部を対象として,航空写真判読と地形・地質調査を行うとともに,写真測量よって活断層線の位置座標計測と地形断面測量を実施し,平均変位速度および単位変位量(鉛直成分)の分布を明らかにした.断層の地下構造と応力場を考慮すると,1回の地震時の全滑り量分布から推定されるモーメントマグニチュードは7.46~7.55と見積もられ,気象庁マグニチュードに換算すると8.2~8.3となる.最も低位の段丘(L3)面から求められた平均変位速度は,L1面とL2面から推定される平均変位速度より大きい.このことは,糸静線北部の活動間隔よりもL3面形成後の経過年数1,000~2,000年が短いことを示唆している.L1面とL2面の変位速度分布はほぼ同じパターンを示すことから,これら段丘形成時における地震時の変位量はほぼ一定であることがわかる。このように,写真測量を導入して作成された地形断面は,変動地形を解析する上で十分な精度を有し,高密度な変位量分布を把握することが可能である。