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J-GLOBAL ID:201002282936317527   整理番号:10A0059894

哺乳類ゲノムに内在する非レトロウイルス型RNAウイルス因子

Endogenous non-retroviral RNA virus elements in mammalian genomes
著者 (13件):
資料名:
巻: 463  号: 7277  ページ: 84-87  発行年: 2010年01月07日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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ウイルスの中で,内在性プロウイルスという形でゲノムに化石情報を残すことが知られているのはレトロウイルスだけであり,ヒトゲノムの約8%はこのようなプロウイルス因子で構成されている。非レトロウイルス型RNAウイルスをはじめ,ほかにも多くのウイルスが複製の際にDNAによる自己ゲノムを作ることが知られているが,動物の生殖系列にDNAの形で内在化するものはこれまで見つかっていない。非分節マイナス鎖RNAウイルスであるボルナウイルスは,細胞核で持続感染するというRNAウイルスの中でも独特な性状を有している。今回我々は,ボルナウイルスの核タンパク質(N)遺伝子に相同な配列が,ヒトをはじめとする霊長類,げっ歯類,そしてゾウなど数多くの哺乳類ゲノムに存在することを明らかにした。内在性ボルナ様N(EBLN)エレメントと名付けられたこの配列は,一部の霊長類では完全なオープンリーディングフレーム構造を保っており,mRNAとして発現されている。系統解析の結果,EBLNは各動物の系統で個別に形成されたことが示唆された。また,ジリスで見つかったEBLNは,極めて最近にジリスの系統に入り込んだ可能性が示された。一方,霊長類EBLNは,4,000万年以上前に獲得されたと考えられる。さらに,現在の哺乳類ボルナウイルスであるボルナ病ウイルス(BDV)のN mRNAは,持続感染した培養細胞のゲノムに,EBLNに類似した配列を新たに挿入できることも明らかになった。本論文は,哺乳類ゲノムにおいて非レトロウイルス型ウイルス由来の配列が内在化したことを示す,初めての報告である。これらの結果は,生物の進化過程における内在性ウイルスの獲得について新たな知見を提供できるだけでなく,ボルナウイルス感染が宿主の遺伝的新奇性に果たした役割を知る手がかりにもなると考えられる。Copyright Nature Publishing Group 2010
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分類 (2件):
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ウイルスの生化学  ,  遺伝子の構造と化学 
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