抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年, 理科授業において言語活動の充実が志向され, そのための指導として結果の考察の充実および他者との関わりを通じての自分なりの思考・表現活動の活性化が要請されている。理科における言語活動としての結果の考察では, 言葉や記号に加え, グラフ, 画像やイメージなど視覚的な要素で捉え, それを表現する活動, すなわち「視覚化」の能力の育成が不可欠である。しかし, 現在の中学校の理科学習においてこの点に課題を有する子どもが多い。そこで本研究では, まず理科学習における視覚化の意味について検討した。その上で, この視覚化過程を他者との相互作用を通じて俯瞰的に捉える「メタ視覚化」の概念に着目し, これを表象ネットワークとの関連から明確化することで, 子どもの自分なりの思考・表現活動の実態を捉える理論モデルを構築した。そして, そのモデルの有用性を中学校の理科授業を事例に検証することで, 教育課題の解決に資する知見の導出を志向した。結果として, 本研究で提案するモデルによって, 子どもが他者との相互作用過程を通じて, 新規の情報を俯瞰的に捉え, 自己のメタ視覚化を再構成させていく様態を捉えることが可能となった。こうした他者のイメージ図などの視覚化要素との相互作用を通じて, それを俯瞰的に捉えて内的に視覚化し, これに言葉や記号を有機的に結合させる過程を通じて, 理科における言語活動としての結果の考察は充実されることが明らかとなった。(著者抄録)