抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄鋼の溶接に伴う亀裂の発生を完全に抑制することは困難な作業である。また,溶接部の疲れ寿命の改善に残留応力の付与が有効であることが知られている。前者における亀裂の無害化と後者の具体的プロセスとしてピーニング処理が有効であり,古くから実施されてきた。本研究においては,このプロセスの効果を定量的に予測するために有限要素法を用いた数値解析と実験による検証を実施した。実験では,材料対象としてSUS316を選定しTIG溶接を実施した。この溶接部から疲れ試験片を切り出し,ピーニング処理(超音波式ニードルピーニング)を施した後,疲れ試験(平面曲げ)を行なった。ピーニング処理後の残留応力評価をX線応力測定によって行なった。これらの解析と実験から,少なくとも深さ1.0mmまでの半円切欠を疲れ強さに対する無害化をピーニングによって達成できることを明らかにした。また,ピーニング処理は元の引張残留応力を圧縮残留応力に変化させることができ,これにより疲れ寿命の大幅な改善を得ることができることを確認した。