抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らはこれまでに,ショットピーニング(以下,SP)によるばね鋼SUP9Aの疲労限度向上と,き裂状表面欠陥の無害化に関して,応力比R=0とR=0.4の場合について研究を実施し,所定のき裂状表面欠陥を有する欠陥材の疲労限度を,SPにより平滑材と同等の疲労限度まで回復できることを明らかにした。本研究では,き裂状表面欠陥を模擬した半円スリットを導入したばね鋼SUP9AにSPを施した後,応力比が負の場合,即ち応力比R=-1の条件で平面曲げ疲労試験を行い,SPによる高強度鋼の疲労限度向上および表面欠陥無害化に対する応力比の影響を明らかにした。その結果,以下のことが明らかになった。1)R=-1の場合,SPを施すことによってスリット材の疲労限度は113~154%向上した。この疲労限度向上率はR=0の場合の130~157%よりも若干低く,R=0.4の場合の50~100%よりも高かった。2)SP試験片の疲労破壊起点は,半円スリットの深さが0.3mmではスリット部から,0.1mmおよび0.2mmでは半円スリット以外から破断した。したがって,SPを施すことによって,疲労限度を55%低下させる深さが0.2mmまでの半円スリットを無害化できることが明らかになった。