抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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窒素は地球大気の約8割を占め,生命の必須元素であることから,重要な揮発性元素である。しかし依然として,地球内部における窒素の挙動は詳細に理解できていない。特に,下部マントルに存在しうる鉱物への窒素取り込み量に関する実験報告は未だ少ない。本研究では,下部マントル主要鉱物にどれほどの窒素が含まれうるか検討するため,愛媛大学GRCに設置されたMAを使用し,高温高圧実験を行った。急冷回収試料の窒素の分析には大気海洋研究所のNanoSIMSを使用し,標準試料として14N+イオンを打ち込んだ石英ガラス基板をNIMSにて作成した。急冷回収試料中には,bridgmanite,stishovite,MgOに富んだメルトが共存していた。SIMSによる分析から,stishoviteに最大で450ppm近くの窒素が取り込まれており,bridgmaniteよりも多く窒素が取り込まれうることが分かった。このことは,沈み込み過程によって地球深部に窒素の貯蔵庫が形成される可能性を示唆する。(著者抄録)