抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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フルモールド鋳造法では,鋳造工程中に突然の溶湯の噴き上げが発生する場合がある。この動的現象に関する研究報告はほとんどなく,熱分解層内のガス圧力に基づく湯流れモデルを用いて,その現象を説明することは困難である。本論文では,この動的現象を理解するために行った,X線による鋳型内における充填挙動の観察結果について報告した。鋳鉄はFC250を使用し,発泡倍率65倍のPMMA材をモデルとした。市販の水性塗型(通気度1)をモデル上にてかけ塗りし,2回乾燥させた。湯口に内径25mmのストレート陶管を使用し,サイドボトムゲート方式で鋳造を行なった。鋳型内に溶湯が流れ込むと,溶湯の球状は膨張し,やがてゲートの反対側の壁からゲートに向かって激しく吹き飛び始めた。その後,水位の上昇とともに溶湯はゲート側の金型コーナから飛び出すように挙動を変えた。高速ビデオ画像から,湯面吹き飛ばしと溶湯飛び出しの両方が,0.1秒周期で鋳型底部からの溶湯の噴き上げによって生じたことが分かった。このことから,鋳型底部ではガス爆発が0.1秒周期で発生し,これらの現象は溶湯と被覆鋳型の隙間を通過する空気の噴流によって発生するガスの旋回流の推進力によって引き起こされていると考えられた。ガス爆発,ガスの旋回流,さらには溶湯の挙動もすべて溶湯鋳型ギャップ内で起こる現象で,ガス爆発直後に爆心に発生した負圧が,空気を吸引し,被覆と溶湯の界面が形成される周期が生じ,一連の爆発をもたらすことを示唆した。(翻訳著者抄録)