抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,2018年に4機体制での本格運用が開始された準天頂衛星から得られる高度位置情報を活用し,交通分野における現状の課題への対策の可能性について検討した。具体的には〈1〉自動車交通の把握,〈2〉交通事故発生状況の把握,〈3〉観光行動の把握の3点について検討を進め,その成果を各章にまとめた。第1章では,道路交通センサスにより把握できる交通量には,都道府県間交通の精度に課題があり,調査結果ではOD交通量が0であっても実際には交通が発生している可能性があることを示すとともに,これらの課題を解決するために,準天頂衛星から得られる高度位置情報を活用して現在の調査方法を修正することによって,より利用価値の高い交通量データを得る方法について提案した。第2章では,交通事故に関連した課題として,交通事故の詳細な発生状況を把握できていないこと,事故の発生から救急搬送,病院での治療までを一連の流れとして把握できていないことを取り上げた。これらの課題に対し,準天頂衛星から得られる高度位置情報を活用して,事故発生直前から時系列で交通状況を把握することにより,事故発生メカニズムを解明するための方法,事故発生の直前直後から救急搬送,病院での治療までの流れを把握して,クロスセクションで事故を捉え,総合的な事故対策と評価を実施するための方法について検討・提案を行った。第3章では,観光行動に関して,現状の統計からは出発から帰宅までの詳細な行動状況を把握できないという課題について整理するとともに,観光地到着後の周遊活動を含め,出発から帰宅までの行動を把握する方法について検討した。これを実現するため,利用者サービス事業と連携した(仮称)観光センターを創設し,観光行動に関するデータの収集と知見の蓄積を行い,新たなサービスを実用化していくための手法について提案した。(著者抄録)