抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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暗号回路から漏洩する物理的挙動を解析し,暗号を解読するサイドチャネル攻撃(SCA)が提案され,情報漏洩の脅威となっている.また,深層学習を用いたサイドチャネル攻撃(DL-SCA)はMasking対策を実装した暗号回路に対して攻撃が可能であると報告されている.そのため,暗号機能が搭載された電子機器を設計する際,SCA対策を行う必要がある.SCA対策を行うにあたり,各対策に対してSCA耐性評価を行う必要がある.しかし,DL-SCAでは解析を行わなければ耐性を評価できない.さらに,DL-SCAを行うには1万以上の波形が必要であり,測定に膨大な時間を要する.本論文では,DL-SCA耐性評価のコスト削減のために,SCA対策実行後の漏洩波形を模擬することで,評価に使用する漏洩波形の測定回数を削減する方法を検討した.提案手法では,ある一つの評価条件における漏洩波形を測定する.この漏洩波形に対して対策実装後のSCA耐性となるノイズを重畳し,対策実装後の模擬波形を作成する.本検討によって少ない対策実装後の漏洩波形によってDL-SCA耐性評価の予測を行う.今回,Masking対策AESを実装したマイコンを対象として,複数の観測点で漏洩波形を測定し,CPAを実行する.CPA結果からノイズを作成し,ある一つの観測点の模擬波形を作成した.そして,DL-SCAを実行した結果,模擬波形による評価では秘密鍵を12バイト中6バイト回復したことを確認した.これは実測した場合と12バイト中10バイトと一致した.(著者抄録)