抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
温暖化がブナ林に与える影響を評価するため,分布予測モデルを用いて生態的生育的域の将来予測を行った。また,温度および降水量を変化させた場合の適域面積の変化率を温暖化影響関数として算出した。現在ブナ林が分布する地域における適域面積は,将来大きく減少すると予測した。影響関数によって,温度上昇だけでなく降水量の減少も適域の面積を低下させることが分かった。九州,四国,太平洋側のブナ林は,将来,夏季の高温にさらされることより適域面積が狭くなると予測した。白神山地世界遺産地域とその周辺では,将来,夏季の高温のため適域が大幅に減少すると予測した。北海道では適域が北へ広がるが,ブナの分布拡大速度が遅いうえに,分断化された天然林の配置ではブナの移動は困難なので,温暖化のペースに追いつかないであろう。ブナの寿命は長く,温暖化によりブナ林が衰退する可能性は低い。ブナの老齢木の枯死後に高木種の交代が順調に進行するかについて,ブナ林の大きな変化や衰退が予測される地域を中心に監視していくことが重要である。