抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
鉄道車両主電動機の軸受部潤滑グリースの耐久性向上を目指して,グリース基油の挙動に着目し,軸受のふたに設けられたグリース封入形状(以下GP)が基油の挙動に及ぽす影響について調査した。これまでに,主電動機のGPのうち代表的な形状3種で比較した場合,実用条件下でグリース基油の挙動が異なることを確認している。また,GPの形状決定時にグリース挙動に影響を及ぼす因子とその効果を調査し,GPの設計における指針を明らかにした。今回,基油の供給能力向上による軸受の潤滑寿命への影響を明らかにするため,供給能力を向上させた改良GPを使用し,潤滑寿命の延伸効果について検証試験を行った。結果は次の通りである。1)主電動機用軸受の端蓋に設けるGPの形状変更だけで,潤滑寿命の延伸効果がある。グリースの量だけでなく,封入形状も潤滑寿命に重要な影響があることがわかった。2)新幹線用主電動機の従来GP構造と改良GP構造を使用して,主電動機実機を用いた確認試験を行い,改良GPを使用した場合に問題がないことを確認した。温度上昇試験では,グリース充填量が多いと軸受飽和温度上昇値が高くなるが,定格風量下では,軸受飽和温度上昇値の差異はなくなることがわかった。3)軸受の外輪を押さえる面圧の考慮により,改良構造をPPS樹脂被覆軸受にも使用可能な構造にできる。ただし,セラミックス被覆軸受に適用した場合の方が寿命延長効果が期待できる。