抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
高性能コンピューティングの世界で,新しいマシン環境に性能を自動的にチューニングすることによって高速化を実現するソフトウェア自動チューニング(以下,自動チューニング)技術が注目を集めている。本稿は自動チューニングの背景,定義,計算機科学における関連領域(コンパイラとの差異を含む),自動チューニングの実現方法,自動チューニング技術の世代論的考察,自動チューニング技術の将来展望を述べた。ソフトウェア自動チューニングは,ソフトウェアAをソフトウェアBによりマシン環境に適合させ,自動的に性能をチューニング(あるいは最適化)することと定義できる。チューニングの際の基準となる性能には,プログラムの実行速度に限らず,マシン環境を構成するネットワークの通信速度,計算と通信を包含した性能としての応答速度,所要記憶量,消費電力量,信頼性なども含まれる。自動チューニングの対象のプログラムの事例としては数値計算応用が典型的であるが,シミュレーション,データベース検索,メディア処理,ゲームなども含まれる。関連の深い計算機科学分野として,オペレーティングシステム,並列処理,コンパイラが存在する。コンパイラの最適化技法は決められたマシン環境で基本ブロックと呼ばれるプログラム単位に対して適用されるのに対して,自動チューニングの枠組みでは,複数のマシン環境を前提とし,最適化のために命令の全域的並びかえも許す。