抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,国土交通省の社会資本重点整備計画の策定に向けて,「全国河川の物理環境を大まかに把握すること」および,河川の物理環境の経年変化を定量的に明らかにした上で「環境面から求められる(河川管理によって目指す)川づくりの方向性」を明確にすることを目的として,簡便ではあるが全国の河川の物理環境について統一的・定量的に評価することを目的として実施したものである。その結果,1960年代から現在までに,1)河川の地先構造として「ヨシ原の面積が減少」,「水際部の樹林延長距離が増加」,2)流水環境として「砂州・砂礫堆の裸地面積が減少」,「高水敷の樹林面積が増加」,3)人為改変の程度として「魚道の設置割合が増加」,「湛水域の面積割合が増加」,「自然の水際の距離割合が減少」という結果が得られた。本研究によって得られた成果から,過去50年間に日本の河川がどのように変化してきたかについて,大まかではあるが定量的に示すことができた。生物が多様に生息するために好ましくない方向へシフトしている物理環境項目については,適正な河川管理によってその変化を是正する施策を講じていく必要がある。具体的にどのような河川管理手法を用いるかについては,個別の河川の特性などに大きく左右されるので,慎重な検討が必要であり,今後の課題である。(著者抄録)