抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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個人の興味や嗜好に適応したアイテムを提示する推薦システムは,既にECサイトなどで実用化されている。協調フィルタリングは,現在最も広く利用され,その有効性が実証されている推薦アルゴリズムの一つである。協調フィルタリングは,ユーザのアイテムに対する格付けから,格付けの類似性を定量化し,まだ入力されていない格付けの推定値を計算して推薦アイテムを決定する。類似度としては,ピアソン相関係数やコサイン距離が一般的に用いられ,これまで類似度の定義について様々な研究がなされてきた。しかし,協調フィルタリングの枠組みにおいて,ある類似度の指標を用いた場合の推薦精度についての議論はなされているものの,推薦精度を最大化する類似度が結果的にどのような値になるのかという議論はあまりなされていない。そこで本研究では,被推薦者とそれ以外のユーザ間の類似度を類似度ベクトルとする変数として捉え,推薦精度を最大化する最適化問題として定式化を行った。その上で,実数空間上の最適化アルゴリズムの一つであるPSO(Particle Swarm Optimization)を用いて最適化を行い,最適化した類似度と従来手法による類似度の違いを比較した。その結果,最適化した類似度に基づく推薦の方が精度が高くなることが明らかとなった。また,実システムへの応用を想定し,既に入力された格付けに基づいて最適化した類似度を用いて,まだ入力されていない格付けの推定を行うアルゴリズムの検証も行ったところ,従来の相関係数による類似度よりも高い精度で推薦可能であることが明らかとなった。(著者抄録)