抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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韓国における水産加工業は,近年,輸出環境の変化に伴う水産加工品の輸出の減退を背景に,当該加工業の構造再編を余儀なくされている。さらに国内における水産物市場の拡大を背景に内需向けの産業としての業態転換や市場のシフトが進んでいる。韓国のワカメ加工業は,ノリ加工業とともに海藻類の2大業種となっている。当該加工業,特に湯通し塩蔵ワカメの加工業は,当初から主に日本市場向けの輸出産業として発展してきた。しかし,1990年代に入ると日本市場向けの湯通し塩蔵ワカメは,中国産製品の輸出攻勢のもとで急激な輸出減退を余儀なくされ,加工業者の大幅な縮減や加工産地の集約化など急激な構造再編を招いている。しかし,一方,ワカメ加工業の再構築も図られており,それは加工における湯通し塩蔵ワカメから乾燥ワカメヘの製品転換と市場対応における外需向けから内需向けへのシフト,の二つの方向から進展している。本報では,韓国のワカメ加工業をめぐる構造変化を明らかにするため,その加工拠点である全羅南道莞島郡莞島邑における実態調査を基に分析している。