抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本原子力研究開発機構は,高レベル放射性廃棄物地層処分への天然現象(地震・断層活動,火山・熱水活動,隆起・侵食/気候・海水準変動)の影響を評価するための作業フレームを整備・高度化した。この作業フレームは,地質環境条件の変化について,温度-水理-力学-化学(THMC:Thermal-Hydrological-Mechanical-Chemical)に着目して記述することに特徴がある。この考え方は,地下水シナリオや変動シナリオを統一的な方法で評価可能とする総合評価作業フレーム(G:Geometricalを追加)に反映され,これによりTHMCGを介して,天然現象の発生から性能評価まで統一的な検討が可能となった。本報告では,総合評価作業フレームに則り,地質環境条件と天然現象の特性との関係の定量化と処分環境における性能評価パラメータと地質環境条件との関係の定量化に関する情報整理の考え方について検討した。また,上記の考え方に基づく情報整理手法の適用性の確認を実施した。その結果,上記情報整理により,地質環境条件の変化に関する情報から,地層処分の安全評価において重要な天然現象研究や地質環境に関するデータや知見などについて,その過不足も含めた情報を効率的に整理できる見通しを得た。特に,急激かつ局所的な現象である火山・熱水活動および地震・断層活動と比較して,現象に起因する影響が捉えにくい緩慢かつ広域的な現象である隆起・侵食/気候・海水準変動については,対象地点の場の変遷という考え方を導入することにより,総合評価作業フレームの考え方に基づく統一的な情報整理の手法が適用可能であることを確認できた。また,情報整理により適切なシナリオの選択が可能となる見通しを得た。(著者抄録)